【FAQ】小学校プログラミング教育に対して保護者ができることは?

 2020年から、小学校でのプログラミング教育必須化が決まりました。読み書き計算と同じように、新しい時代の「教養」として今、コンピュータやプログラミングの基礎を学ぶことを期待されています。

しかし現状はまだ、指導の方法や教材に一定のモデルがありません。期待や希望が持たれる一方で、多くの情報があふれ、子どもたちをどうサポートすべきか、不安な気持ちを抱えている保護者の方は多いことでしょう。

この記事では、新しく始まるプログラミング教育に対して、保護者が、どのような準備をしておけばよいのか、プログラミング教室に通わせるべきなのか、といった疑問点・悩みを解明していくことで、親の不安を一つずつ解決していきます。

1.小学校でプログラミング教育が必須化されるそうですが、具体的にどうなる?

文部科学省が公表したガイドラインによると、「プログラミングの時間」ができる(「プログラミング教育」を教科化する)のではなく、音楽や算数など既存教科の中で、プログラミング教育を取り入れていく方向です。

そのため、具体的にどの学年の、どの単元で、どれくらいの時間数でプログラミングを扱うかは、各学校が判断します

小学校段階におけるプログラミング教育では、将来どのような職業に就くにしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」を育成します。プログラミング言語の使い方を覚えることが目的ではありません。

プログラミング教育の導入とともに、情報を収集・整理・発信する力、文字入力などの基本的な操作技能、情報モラルといった「情報活用能力」も重要視されています。

ICT環境が整備され、ICTを活用した学習も増えると考えられます。

2018年4月からは新学習指導要領の「移行期間」となっており、プログラミングを取り入れた授業を自主的に実施する小学校も増えてくるでしょう。

■小学校におけるプログラミング教育の実施例

総合的な学習の時間 自分の暮らしとプログラミングとの関係を考え、その良さに気づく学び
理科 電気製品にはプログラミングが活用され、条件に応じて動作していることに気づく学び
算数 図の作製において、プログラミング的思考と数学的な思考の関係に気づく学び
音楽 創作用ICTツールを活用しながら、音の長さの組み合わせなどを試行錯誤し、音楽を作る学び
図画工作 表現しているものを、プログラミングを使って動かすことにより、新たな発想や構想を生み出す学び
特別活動 クラブ活動において実施

2.小学校のプログラミング教育ではどんなことを習うの?

小学校のプログラミング教育の目的は、プログラマーになるための専門技術の習得そのものではありません。プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考を身に付けることだと成長戦略は示しているのです。

プログラミングを通して、子どもが身につけるのは、自分で試行錯誤し問題解決していく姿勢です。自発的に学び続け。成長し続けることです。それがプログラミング教育の真のねらいです。

親は、こうした姿勢をプログラミング教育によって身につけられるのだ、ということをよく理解するべきです。そうでないと、学校教育の中にプログラミング教育が導入された意義も分からず、子どものせっかくの成長の機会を逃すことになってしまうからです。

3.子供と一緒に親もプログラミングを習うべき?

子どもたちだけが興味・関心を持って、その環境を保護者が提供すればそれでいい、ということはありません。重要なポイントは、わからないからと敬遠せずに、一緒に学んでいくことでしょう。

プログラミングは、課題を認識して、その課題を解くことの繰り返しです。学習を進めていけば、やがてむずかしい課題にあたり、子どもたちは投げ出してしまうかもしれません。

保護者に方も一緒に学習をしながら、ともに考え、課題を解決していくことで、子どもたちはさらに難しい課題に取り組んで、課題が解けた喜びを共有することができます。

プログラミング教育に限らず、保護者の方も子どもたちと一緒に学習し、新しいことを学び、理解できたことを褒めることで、子どもたちはより大きな達成感を得ることができるでしょう。

子どもたちが興味関心を持って、学習を1人で進めていけるようになるまでは、そうして、保護者の方が一緒に学んでいく姿勢であることが重要ではないかと思います。

親も子も一緒になって考えたり調べたりして試行錯誤する。それが、プログラミング教育では求められているようです。



4.プログラミング教育で親が子どもに何かできることはある?

「プログラミング教育」が学習指導要綱に入ったことで、何かすべきことはあるのでしょうか。保護者の方は、その点を不安に感じているかと思います。「わからない」と怖がらずに親子一緒に楽しんでみてください。

興味がある!と思えば学べる環境を

親にできるのは、「環境を用意してあげること」です。子どもがプログラミングに興味を持ったら、プログラミング用の教材を一緒に用意してみたり、アプリを使ってみたり……。

今どんどん増えてきているプログラミング教室では、体験会なども開催しているので、親子で参加してみるのも良いかもしれませんね。

まずはプログラミングが面白いと思ってくれること・好奇心を持たせることが重要です。そして、親が付き添ってさらに想像力を膨らませてあげることが重要となるでしょう。

子どもの学ぶ姿勢を応援しよう

従来の国語算数理科社会英語以上に、プログラミング教育においては、子供たちの自発的に学び、作る姿勢が重要です。これまでの教科とは、性質が全く違っていて、先生や親が手取り足取り教えることはそもそも難しいということもあります。

プログラミング教育によって、子どもが身につけるのは、プログラミング知識そのものというよりも、自分で試行錯誤し問題解決していく姿勢なのです。

親は、こうした姿勢を、プログラミング教育によって身につけられるのだ、ということをよく理解すべきです。そして、子どもの学びを影に日なたに応援するようにしてほしいものです。

5.プログラミング教室・ロボット教室ではどんなことをやっているの?

プログラミング教室の授業は、いずれも従来の学習塾のイメージとは大きく異なります。教師が講義スタイルで進めるのではなく、基本的には個人授業です。

プログラミング教室の生徒は各自のパソコンやタブレットを使ってゲームアプリを作りながら、わからない点があれは補助スタッフに質問できます。周りの生徒に相談したり、アイデアを出し合ったりもします。

興味に合わせて、自由に学んでいけるのが特徴です。そうした授業を通して、「思考力や集中力、協調性、プレゼンテーション力」が身に付きます。

ロボットを利用してプログラミングを教える教室も、需要が高まっています。ロボット教室は単純にプログラムを学ぶのではなく、楽しみながらプログラミングを学ぶ手段として最適な手段と言えます。

ロボット教室からプログラミングに興味を抱く子もいれば、作る楽しさに目覚めて建築士に憧れる子もいるようです。

6.プログラミング教育、何歳から習うのがいいでしょうか?

子どもたちはどのくらいの年齢でプログラミングの方法を始めるべきなのでしょう?専門家の多くは、プログラミングは幼いうちから学ぶことができるもので、そうすべきだという同じ見解を示しています。

読み書きなどの基礎能力を学習中の低年齢の子どもたちに向けて、最初に触れるべき言語として期待されているのが、「ビジュアルプログラミング言語」です。

スクラッチ・ジュニアビスケットなどのプログラミング言語は5歳児を対象とし、視覚に基づいて使えるようになっています。まずは「考え方」に触れ、徐々に慣れていけば子どもでもプログラミングを楽しめます。

ビジュアルプログラミング言語にも、やはり多くのバリエーションがあります。いずれもブロックやイラストなど分かりやすいパーツを組み立てていく仕組みなので、子どもは興味を持って触ってくれるはずです。

7.プログラミングを学ぶメリットは何でしょうか?

プログラミング教育で、よく出てくるキーワードが「プログラミング的思考」です。プログラムを学習することで、5つの能力が身につくとされています。

  • 物事を抽象化する能力
  • 物事を分解して理解する能力
  • やるべきことを順序立てて考える能力
  • ベストな方法かどうかを分析する能力
  • 方法を他に置き換えて一般化する能力

プログラミングは、論理的思考のトレーニングにもなります。生活における身近な問題を論理的思考で解決できるようになると、生活そのものが効率化されます。

8.プログラミング教室がたくさんあって、どう選べばいいか分かりません

子どもたちが楽しくプログラミングを学ぶために、あるいは継続的にプログラミングを学べるように、保護者はどのようなことに注意して教室・スクールを選べばいいのか、ポイントを5つに絞って整理してみました。

体験教室などでプログラミング教室などを訪れる際の参考にして下さい。

ポイント1 ウチの子は「ロボット派」? それとも「プログラミング派」?

子供向けのプログラミング教室は、大きく分けて「ロボット制作型」と「プログラミング型」の2種類に分けることができます。教室によっては、どちらかのみを教えている場合や、または両方を扱うところもあります。

お子さんの手先が器用であれば「ロボット」でしょうし、「絵本や物語が好き」という方は「プログラミング」かもしれませんね。 多くの教室が無料体験を行っているので、無料体験を通じて子供の適正を確認しましょう!

ポイント2 学習のゴールはある? 発表の場がある?

たとえばスイミングの場合、「クロールで25メートル泳げた」など明確な到達点がわかりますが、プログラミングは何をもって成長したのか、保護者が見えづらいです。

そのため学習のゴールは何か、子どもたちの成長が感じられる成果発表の場があるのかを確認しましょう。

ポイント3 教材を使う? 自由に制作させる?

各教室の授業の進め方はさまざま。毎回の課題が決まっていたり、テキストを見ながら自分のペースで進めたり、あるいは教室によっては教材がなく、学ぶ言語や作りたい作品を自分で決めて、あとは自由制作で進める場合もあります。

あらかじめ子供の本気度を認識しておくことは重要です。親は習わせたいけど、子ども自身はそこまでモチベーションが高くない場合、ロボットやパソコンを借りるパターンの初期費用が低い教室をオススメします

ポイント4 上位クラスが用意されている?

最初はほとんどの子どもがビジュアルプログラミングから始めますが、やり始めると意外にもタイピングを早くにマスターしたり、スキルの習得にたけた子もいます。

そうした子供たちがどんどん先のクラスに進めるように上位クラスの有無も確認しましょう。

ポイント5 先生はどんな人? どれくらい人数がいるの?

学生アルバイトや社会人(元エンジニア)など、どんな人が講師なのか確認しましょう。重要なのは講師の人数。

プログラミングは子どもたちが自分で問題解決する場面が多いため、分からないことがいつでも質問できる体制が望ましいです。十分な講師を配置しているのかチェックしましょう。

9.プログラミング教室に通わせずに、親ができることはありますか?

保護者にプログラミングの知識と経験がないという前提なら、親子で学べる以下の3つのプログラミングツールがお勧めです。

小学校低学年までの小さなお子さんなら、言語を必要としないプログラミングツール「ビスケット」。読み書きができるようになったら、「スクラッチ」。この2つは、公式サイトに分かりやすい説明があります。

iPadを持っているなら、アップルが開発したプログラミング言語「Swift」をゲーム感覚で学べる「Swift Playgrounds(スイフト プレイグラウンド)」の日本語版が最近リリースされているので、こちらもお勧めです。

親子で学べるプログラミングツール
ツールの名称 年齢の目安 特徴 公式サイト
ビスケット 幼児~
小学校低学年
・テキストコードでの入力を必要とせず、直観で操作できる。
・日本人が開発しており、大人向けのガイダンスも豊富。
・プログラミングを学ぶための「出会い」のツール。
http://www.viscuit.com/
スクラッチ 小学校中学年 ・専門のプログラミング言語ではなく、日本語でコマンドを実行できる。
・プログラミングの入門的ツールで、ゲームやアプリなどさまざまなコンテンツが作れる。
・複雑なことはできず、実際の仕事で使うツールではない。
https://scratch.mit.edu/
Swift
Playgrounds
小学校中学年~ ・アップルが開発した言語Swiftを使ってプログラミングを学ぶツール
・テキストのコードで命令文を入力して実行することを学べる。
・iPadでのみ使用可能
iPadのアプリストアからダウンロードする

10.子どもはどこまでできれば困らない?達成目標はある?

もちろん、プログラムを自由に動かせるに越したことはありません。ただ、小学校でのプログラミング教育に限っていえば、「コンピュータに指令をすると、その通りに動かせる」という実感を子どもたち自身が持てればいいとのこと。

身近なものの中には、プログラムで動いているものがたくさんあります。

たとえば自販機。プログラミングを学んだら、だいたいの仕組みは見当がつくようになっていきます。

つまり、プログラミングを知っていると知らないとでは、ものの仕組みへの見方が大きく変わるのです。プログラミングの仕組みを学ぶことは、世の中の動きを理解することにつながり、あるいはもっと便利な世の中にするためにはどうすればいいかを考えるきっかけになるということです。

まとめ

プログラミング教育導入の流れは止まりそうにありません。保護者の方には、プログラミング知識が社会の必須教養になりつつあることを理解し、子どもの自発的な学びを応援する気持ちでプログラミング教育に対応していただきたいと思います。

  • 子どもの好奇心を育てる ゲームやネットより面白い世界を提供してあげましょう
  • 「わからないと」と怖がらずに 親子一緒に楽しんでみてください
  • 子どもの学びを影に日なたに応援しましょう

この記事を通して、保護者のみなさまに少しでも「プログラミング教育とは何か」「プログラミングとはどのようなものか」をご理解いただければ幸いです。

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