「資格」。それは単なる紙切れや呼称にすぎないものかも知れません。
ですが社会を渡り歩く企業人としての側面をもつプログラマーやITエンジニアにとっては、それが自身の能力を第三者に証明するための『印籠』のような存在として有効活用できる機会も多々あります。
それでは、資格取得の動機や効果はどこに関係するのでしょうか?
【能力面】
自身のステータスを組織の中でアピールする機会。
昇進、昇格など、社内でのキャリアアップにつながる。
資格の保有が実務で必要(必須)である。
【就職面】
それなりの知識と向上心があるものと判断される。
転職など、社外でのキャリアアップにつながる。
【金銭面】
合格一時金や資格手当が給付される会社もある。
【科目免除】
合格から一定期間、高度な資格の一部科目免除。
以上のようにプログラマー・ITエンジニアの間でも資格を取得することで、その後の仕事を有利に運ぶことができます。
この記事では、そんなエンジニアの皆さんがいま取得しておくべき、本当に役立つ資格を厳選して紹介します。
目次
各分野のエンジニアが取得している代表的な資格
全てのITエンジニア向け資格
◇初心者ならまずこれに挑戦!総合的な知識を身につける「基本情報技術者試験」
「基本情報技術者試験」はプログラマー・ITエンジニアとしては誰もが知っておきたい、システム開発を行う上で基本的な知識レベルを問う国家資格です。
幅広い知識を総合的に身につける必要があるため、初心者ならまずはこれ!と挑戦するエンジニアが多いのも特徴です。
未経験からITエンジニアへの転職を考えている方や新卒の学生の方は就職活動前の取得を検討すると良いでしょう。
◇経験を積んだエンジニアのさらなるスキルアップに!実務でも役に立つ「応用情報技術者試験」
続いての資格は応用情報技術者試験です。こちらの資格は基本情報技術者試験の上位に当たる資格のため、続けて受験すると取得がスムーズになると思います。
この試験は、高度なIT人材である応用的な知識を持っていることを問う資格です。
経験を積んだ数多くのエンジニアが挑戦しており、実際、エンジニアの資格ランキングなどにも「実務に役に立った」「キャリアアップにつながった」などで上位を獲得している人気資格です。
ネットワーク系エンジニア向け資格
◇これを取得できればネットワーク系プロフェッショナル「CCNA/CCNP」
「CCNA/CCNP」は、世界最大手のネットワーク機器メーカー「シスコシステムズ」社が認定するベンダー資格です。
これら二つの資格はネットワークの資格の中でも最も有名で、かつ難易度も高い資格。
シスコ製品だけではなく、ネットワーク技術のスキル証明となるでしょう。ネットワーク分野を強みにしていきたいITエンジニアには必須の資格だと思います。
参考1:Cisco(CCNA)
参考2:Cisco(CCNP)
サーバー系エンジニア向け資格
◇Linuxのスキルアップに!キャリアアップにも役立つ世界共通資格「LPIC(エルピック)」
「LPIC」はNPO法人Linux技術者認定機関「LPI」が実施する、全世界共通・最大規模を誇るLinux技術者認定資格です。
Linuxを導入している企業で働くエンジニアや、そこに転職を考えているエンジニアはぜひ取得しておきたい資格です。
参考:特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)
◇ ITサービスマネジメントのスキルを世界的に証明するにはこの資格!「ITIL」
「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」とはイギリス政府が定めたIT運用時におけるガイドラインのことで、ITサービスマネジメント分野における世界的な認定資格となっています。
適切なサーバー運用を求められるインフラ系エンジニアや将来サーバー管理者として活躍したいエンジニアにとって世界的にもスキルを証明できる資格です。
参考:株式会社フェス
◇Java言語を扱うプロフェッショナルなエンジニアはこれ!「Oracle認定Java Programmer」
Oracle社認定による「Java SE 認定資格」は、Java言語の包括的なスキルを有することを証明する資格です。
Javaをこれから学び始める初心者から、オブジェクト指向の基本概念を学習したい人、またプロ第一線で活躍するエンジニアまでそれぞれBronze、Silver、Goldとスキルの認定を受けることができます。
参考:Oracle
◇Oracle Databaseのエキスパート!世界に通じる資格「Oracle MASTER」
「Oracle MASTER」はオラクル社のデータベース製品であるOracle Databaseについてエキスパート技術者であることを認定する世界共通の資格です。
試験の主催はオラクルですが、オラクル製品のスキル証明だけでなく、データベース設計・運用のスキル証明にもなりますので、データベース分野で活躍したいITエンジニアはぜひ取得したいところです。
オラクルマスター資格は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4ステージで構成されています。
オラクルの資格試験は細分化されており、例えば「ブロンズ」を取得するのであればSQLの基礎を確認する試験(3試験中1試験選択)の合格と、さらにオラクルと一般的なデータベース知識を問う試験への合格が必要となります。
参考:Oracle
セキュリティ系エンジニア向け資格
◇情報セキュリティにおけるプロフェッショナルな証明「情報処理安全確保支援士試験」
「情報処理安全確保支援士試験」は国が認定した国家資格であり、情報システムの企画~開発~運用・保守における高い情報セキュリティのスキルを持つ技術者として証明されます。
情報システムや組織に対する脅威や脆弱性を評価し、技術面・管理面での有効な対策を遂行できるセキュリティエンジニアや情報システム管理者を目指す方に最適です。
情報セキュリティの重要性はますます高まっており、いま最も旬なエンジニアです。
Webデザイナー向け資格
◇Webにおけるプロフェッショナルはこの資格!「HTML5プロフェッショナル認定資格」
「HTML5プロフェッショナル認定資格」はHTML5やCSS3、Javascriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を有することを証明できるNPO法人による資格です。
「Level.1」「Level.2」と2つのレベルがあり、それぞれのスキルに合わせて多くのWebデザイナーが資格取得のチャレンジを行っています
参考:特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)
プロジェクトマネージャー向け資格
◇今後のプロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップにも役立つ「PMP」
「PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル) 」は米国PMI本部が認定を行うプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。
システム開発を円滑に進めることができるプロジェクトマネージャー(PM)として、どれだけプロフェッショナルな知識を有しているかを証明する資格となっており、今後のキャリアアップにも有効な資格です。
参考:PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)本部
まとめ
キャリアアップを目指すプログラマー・エンジニアにとって、これらの資格は今後どの程度必要なのでしょうか?
IT技術者を目指す方はもちろん、IT技術者のスキルチェックをする上でも、上記資格は役立ちます。
実際のところ、エンジニアの場合、やはり最も重要視されるのは、資格よりも「実務経験」ですが、今後もエンジニアとして働くことを考えているなら、資格は取得しておいたほうが有利になることは間違いありません。
資格はあなたのスキルの証明になります。ベンダー資格を取っていれば、ネットワークやデータベースのスペシャリストという能力にお墨付きがもらえますよね。
これは転職や昇進の際、採用担当者や上司、現場にあまり顔を出さない役員へのアピールにはうってつけです。
プログラマー・ITエンジニアならば取得を目指さない手はありません。
「資格を取らされる」といった受け身の発想ではなく、社内・社外を問わずキャリアアップできるようになるために、チャンスがあれば積極的かつ計画的に資格を取得してみましょう。
以上、プログラマー・ITエンジニアがぜひ取っておきたい資格のご紹介を行いました。今回ご紹介した資格の中で気になるものがあれば、ぜひ勉強してみてくださいね!