子供向けプログラミング教育ツール(ソフトウェア)を親子で学ぶ

パソコンやタブレット、スマホで学べるプログラミング教材は多数あり、幼児でもできるごく簡単なものから、実用的なプログラミング言語を学べるものまで、目的や利用シーンにあわせて選ぶことが可能です。

子ども向けとして種類が多いのは「ビジュアルプログラミング」ツールです。

ビジュアルプログラミングは、テキストで命令を打ち込む代わりに、命令が書かれたブロックを組み合わせたり画像を使ったりしてプログラムを作成します。

そのため、幼児からでも簡単にプログラムを作ることが可能です。

スマホやタブレットであればタッチ操作、パソコンではマウスのドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、プログラミングの世界に触れることができ、プログラミングの基本を学べます。

このように、ゲーム感覚で「プログラム」を学べることができるビジュアルプログラミングを5つ紹介します。

プログラミング教室に通う前に、親子で教材を活用し挑戦することで、子どものプログラムに対する興味や関心を引いてみてはどうでしょうか。

教育ツール(ソフトウェア)編

ビジュアルプログラミングは、実際のプログラミングを、キャラクターを操作するなどの形で学んでいく教材になります。

ご自宅にインターネット環境と、タブレットやパソコンがあれば、すぐに利用できます。「Scratch」と「Viscuit」もパソコンからなら。そのままWebブラウザで試せます。

タブレットであれば、無料のアプリケーションを追加して実行することもできます。

ご自宅に環境がない場合でも、図書館で無料のパソコンとインターネット環境を利用できることがありますので、お住いの地域の図書館に問合せてみてください。

この記事では、スクラッチやビスケットを取り上げていますが、「ビジュアルプログラミング」にはさまざまな種類があります。お絵かきツールから始まって、ブロックを使うものへとより実践的なものにステップアップでき、文字を使ったプログラミングへと進んでいってください。



Scratch 2.0

対象年齢:8〜16歳
費用:無料
必要なもの:パソコン
※推奨環境は  https://scratch.mit.edu/info/faq  参照

開発元: MITメディアラボ LIFELONG Kindergarten Group

  • ゲームつくりたい少年に最適な、一歩進んだゲームプログラミング学習サービス
  • 簡単に始められるし、学びたい人には更に深く試してもらえる機能が満載。非常にバランスがよい。
  • スーパーマリオそのものと思えるゲームを制作されていたりしていて、子どもたちのワクワクをくすぐりすぎ。
  • 「将来ゲームプログラマーになりたい少年」に最適

Scratchは、現在日本でもっとも使用されているビジュアルプログラミングで、問題解決やアイデアを表現する手段としてのプログラミング教育という目的でMITメディアラボによって開発されました。

命令別に色分けされたブロックを組み合わせてプログラミングを学んでいくため、「ブロックプログラミング」とも呼ばれています。

ゲームの作成に必要な音楽や効果音、イラストといった要素は自分で作成することもできますし、あらかじめ用意されたものを使うことも出来ます。

Webブラウザ上で動かしますが、インターネット環境がない状態でも利用可能なオフライン版もあります。(バージョン1.4)

現在はPC版のみですが、iOS/Androideでも動作する「Scratch3.0」が開発中で、2018年にリリースされる予定です。

また、より簡単な操作で楽しめる幼児向けの「Scratch.Jr」もあり、こちらはタブレットで楽しめます。

さらに、1つ前のヴァージョンのScratch1.4をiOSに移植して端末の傾きも楽しめるようにしたiPadアプリ「Pyonkee」も用意されています。

機能ごとに色分けされたブロックを組み合わせて、「スプライト」と呼ばれるキャラクターや背景の画像ごとに、それぞれプログラムを作ります。

変数、代入、座標といった小学校の算数では習わない概念も扱いますが、低学年の子どもでも難なく理解して取り組んでいます。

キャラクターをアニメーションさせたり、複数のキャラクターが登場するストーリーを作ったりといったゲームを簡単に作ることができます。

Scratchには、オープンソースソフトウェアの文化を子どもに体験して学んでもらえるように、他の人の作ったものをコピーして変更する事ができる「リミックス」という機能があります。

また、教育者向けのコミュニティ(フォーラム)もあり、教材を共有することができます。作品を公開してお互いに内容を見ることでき、他の人のテクニックを知り、また他の人の作品を改造(リミックス)することもできます。

年に一度5月に開催されるScratchのイベント「Scratch Day」では世界中でイベントが開催されています。
日本各地でも行われていますので、近所に無いか確認してみましょう。

また、人気芸人の厚切りジェイソン氏が出演するScratchを使ってプログラミングを学べるNHK Eテレビの番組「Why !?プログラミング」もあり、ウェブサイトでは過去の番組を見ることができます。
※  http://www.nhk.or.jp/gijutsu/programming/

Scratchでできること

Scratchを使ってプログラミングがどういうものなのか、簡単なゲームを作ることで体感することは容易にできます。

しかしScratchそのもののプログラミングに飽きてしまったら、下記のようにさまざまな道があるので、せっかくプログラミングに興味を持った子どもにいろいろな可能性を示してみてはいかがでしょうか。

  1. Scratchでマイクラ(Minecraft)のプログラミングをしてみよう
    Scratchは子どもたちに大人気のゲーム「マイクラ(Minecraft)」をプログラミング操作できます。
    ゲーム機では通常有料のMinecraftがRaspberry Piを購入すると無料のMinecraft Pi Editionとして使うことができるのです。Pi Editionはさまざまなブロックを積んで町や風景を作る「クリエイティブモード」のみだが、Scratchを使ったプログラミングで、さまざまな建物を作ることができます。
  2. Scratchで電子工作をしてみよう
    Scratchは電子工作の入り口としても使われることが多い。LEGOで作ったロボットを、Scratchのプログラムから動作させることができます。手を動かす「工作」に関心を持たせることができるでしょう。
  3. その他
    アート、アニメーション、音楽、プレゼンテーション、パソコンのカメラ機能を使ったAR(拡張現実)など、さまざまなここができます。

いろいろチャレンジしてみて下さい。

VISCUIT

対象年齢:4歳〜
費用:無料
必要なもの:PCかタブレット
※動作環境は  http://www.viscuit.com  参照
開発元: デジタルポケット

VISCUITの使い方は以下の3点。

①絵を描く
②動かし方を指定する
③動いているのを見ながら調整する

VISCUITは、原田康徳氏が開発したビジュアルプログラミング言語です。

Webプラウザのほか、PC(Windows/Mac)、iOS/Android用のアプリも無料で公開されています。

インターフェースはシンプルで、キャラクターを描くお絵かき画面と、操作画面の別れており、文字は一切ありません。VISCUITはもっとも簡単なプログラミングアプリで、画面上のキャラクターを配置するだけで操作が完了します。

操作画面の「めがね」型ツールの左側に「ぶひん」とよばれるキャラクターを配置します。左右のめがねにあるキャラクターの位置関係の差分で上下左右への動きを作ることができ、角度の差をつければ簡単に回転が可能です。

単純なことを組み合わせて複雑なものを作る、少しずつ確認しながら作っていくといったプログラミングの楽しさを体験しながら、幼児でもプログラミングの条件式の概念を自然に学んでいくことが出来ます。

これにより、ゲーム、音楽、アートなど表現の幅が一気に広がるという特徴を持っています。

さらに工夫をすれば、ゲームを作ったりすることも可能です。また、1人で作るだけでなく複数人で共同して作成できるため、幼稚園や小学校での協同学習にも適しています。

現在、小学校などでのワークショップや、VISCUITファシリテーターの養成も行われています。

Scratch(スクラッチ)とVISCUIT(ビスケット)の比較

Scratch(スクラッチ)とVISCUIT(ビスケット)は、いずれも子供向けのビジュアルプログラミング言語としてプログラミング教室で広く使用されており、Web上で自分が作った作品を他のユーザーと共有できる点も同じですね。

いずれもビジュアル的にわかりやすく、子供の遊び心をかきたてやすいという点でもよく似ています。角度や深度の差はあれど、遊びながらプログラミング的思考を育むことができるという点では共通しています。

大きく異なる点は、Scratchはプログラミングに使用するテキスト言語の代わりにブロックを用いているのに対して、VISCUITにはそうしたものがないこと。

VISCUITでは、絵を動かす指示は眼鏡のような2つの丸の中にそれを配置することで行います。初心者や小さな子供にはとても使いやすく、感覚的に遊ぶことができる反面、Scratchと比較するとできることに限りがあります。

対象年齢もScratchは8歳から、VISCUITは4歳からとされており、VISCUITはまだ言葉が上手に話せない子供でも使い始めることができますが、Scratchはその仕組みが身につくほどに複雑なプログラミングが可能になっていくので、将来的なスキルアップも見込むのであればScratchがオススメと言えるでしょう。

Minecraft(マインクラフト)

費用:1,500円
必要なもの:Office365Education、PC
開発元:日本マイクロソフト株式会社

Minecaftは、スウェーデンのMojang社が開発した、立方体のブロックで世界を構築していく”箱庭”と呼ばれるタイプのゲームです。

Windows/Mac/Xbox/プレイステーションVita/iOS/Androidと、くのプラットフォームで発売されています。

シナリオクリアやボスを倒すといった目的でなく、何をしても良い自由な設計で、自分で目標や目的を決めて取り組んでいきます。

Minecraftの世界には草原や山、海、地下などがあり、ほとんどの物質は壊してブロックとして取得でき、このブロックを使って自由に建物を建てる事ができます。さらに、「レッドストーン鉱石」を使うことで自動で動く回路やスイッチなども作成可能です。

ユーザーが作成した「MOD」(モッド)と呼ばれるデータ改変プログラムを追加できるのも大きな特徴です。

このMODを追加することで、農作物の収穫や建築を自動化したりできる他、RubyやPython,Lua,Scratchによるプログラムなども可能になります。

2016年10月25日、日本マイクロソフトはPCゲーム「Minecraft(マインクラフト)」の教育用途版「Minecraft: Education Edition(Minecraft EE)」を2016年11月1日に国内提供することなどを発表しました。Minecraft EEには「Code Builder for Minecraft」が搭載されています。

「プログラミング的思考」を育むツールとしての活用を想定しており、利用料金は教員1人当たり月額120円、当該教員の授業を受ける児童・生徒は無償で利用できる。

対応OSはWindows 10もしくはMac用のOS X El Capitan以降で、「Office 365 Education」のアカウント登録が必要となる。

Code Builderはブロックプログラミングで作ったブロックが、JavaScriptでどのようになるかを確認することもできます。



Swift Playgrounds

対象年齢:小学生高学年〜
費用:無料
必要なもの:タブレット(iPad)
開発元:Apple

AppleがiPad向けにリリースしている教育用アプリです。

iPhone/iPadなどのiOS端末で動作するアプリを開発するプログラミング言語Swiftを学ぶことができます。

キャラクターを動かして進むパズル型教材を透して、繰り返し・条件分岐・論理演算子・アルゴリズムなどの基本的な概念から、より実践的な変数・定数・引数・座標・配列までを順番に学ぶことが出来ます。

用意されたパズルから選ぶ以外にも、自分でゼロから作って学ぶことも可能です。

実際にテキストを入力して学ぶので、ビジュアルプログラミングとは異なりますが、よく使うコードは候補から選んでいくだけなので、タイピングを覚え始めた小学生であればプログラミングが可能です。

アプリを開発できる言語を学べる実践的な教材のため、小学校高学年以降のプログラミング教材としても注目されています。

教え方を解説したガイドもiBooksで公開されています。

Appleの説明によれば、「Swift Playgroundsはプログラミングの知識がなくても遊べるので、12歳から112歳まで、これからプログラミングを始めようという方にピッタリです」のことです。

この記事で紹介している「Hour of Code」や「Scratch」よりも、ワンランク上の高度な学習ツールですが、その分非常に自由度が高いため、使いこなせれようになると、さまざまなアプリを制作できるようになります。

3つのカテゴリ

Swift Playgroundsは「コードを学ぼう」「チャレンジ」「アクセサリ」の3つのカテゴリに分割されています。

コードを学ぼう」は初めてのプログラミングの学習用で、段階的にSwiftプログラミンを学んでいきます。

チャレンジ」では「ブロック崩し」や「じゃんけん」といった多少高度なアプリの作成に挑戦できます。

アクセサリ」は、バージョン1.5から搭載されたカテゴリで、LEGOのマインドストームなどロボット系デバイス、さらにはドローンや楽器のプログラミングが可能です。



Hour of Code

対象年齢:6歳〜
費用:無料
必要なもの:パソコン、タブレット
問合せ:みんなのコード

「1時間だけプログラミングを学ぼう!」とアメリカでプログラミングの普及を行う団体「Code.org」が提唱し、全世界で行われているプログラミング教育活動「Hour of Code」。

その活動の一環として、多くのプログラミング教育ツールが紹介されています。

他社と共同開発したオリジナルツールもあり、「Minecraft」やスター・ウォーズなど、人気コンテンツを使った教育ツールを無償で提供。

日本語版もあり、ブラウザ上で動作しタブレットでも学習できるため、人気の「Minecraft Hour of Code」は民間のイベント等で幅広く活用されています。

毎年12月初旬「コンピュータサイエンス学習週間 」には、全世界でプログラミング体験できるワークショップやイベント「Hour of Code」が開催されています。

国内でもCode.orgのパートナーであるみんなのコードらが協力し4万人超の子どもが同教材を体験しています。

「Hour of Code」の優れている点は「自分で組み立てたプログラムをすぐに確認できること」です。このサービスでは有名なキャラクター(例えば『スターウォーズ』や『アナと雪の女王』など)が多く登場するので一見するとその点のほうが目立ちますが、これほどナチュラルな形でプログラミングを学習できるサービスはありません。

Hour of Codeのコースを修了した人には、より上級のコースが準備されています。もしみなさんが、プログラミング経験が一切なく、コンピュータに苦手意識があるのでしたら、ぜひHour of Codeからプログラミングの学習を始めてください。きっとすぐに、みなさんの新しい能力が目覚めると思います。



まとめ

世の中には無数の教育サイトや教材アプリが存在するため、何の知識もなく探し始めると迷ってしまうと思います。まずは今回ご紹介したサービスを第一候補として検討してみてください。

今回ご紹介したサービスは、難易度の低い方から

  1. Viscuit
  2. Hour of Code
  3. Scratch
  4. Minecraft
  5. Swift Playgrounds

の順番です。いきなり難易度の高い教材を選ぶことはつまづきの原因となりますので気を付けてください。

プログラミングでは、やがて難しい課題にあたることもあります。

保護者の方も一緒に学習して、課題が解けたら喜びをとともに感じられるようになります。プログラミングに限らず、保護者の方も子どもたちと一緒に学習し、理解できたら褒めることで、子どもたちはより大きな達成感を得ることでしょう。

今回紹介したScratchなどのビジュアルプログラミング言語から、テキスト言語への移行は困難ではないかとの疑問や指摘もよく聞きます。

「プログラミング的思考」の獲得についてはビジュアルプログラミング言語は有効だと思います。

しかし、自分のやりたいことがScratchではできないとなった時には、目的に応じて最適なテキスト言語を選択することを理解すればいいのです。

言語は違えど機能はそれほど異なりません。

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